2011年12月23日金曜日

ケーススタディ「ZARA」

どうも、佐藤です。
いくつかの大事な試験があったため、9/16サムスンのケース以来の参加となりました。そのときは季節柄あたたかかった気がしますが、もうすっかり冬ですね。
尚の事、気温もサムスン。

ということで(笑)
今回は表題の通り、ザラ(ZARAのケースを用い、
おもに「市場開発欧州」「店舗の運営」「国際的事業拡大」というテーマを中心に、議論しました。

参加メンバーは13名で、今回も大人数。
初対面の方が多かったのですが、随所随所に、いつもとはひと味違った良さが出ていたと思います。

《本日のフロー》
1. アイスブレーク(「スマートフォン」に関して)
2. UNIQLOについて共有
3. 前提、FACT確認
4. 問題点とその分析
5. 打ち手立案、評価
6. グループ成果発表

というようなフローで進行し、問題点とその分析からはA班とB班に分かれました。以下にその一部を記載いたします。

















A班:《問題点・分析》
・国際事業拡大のために、どのようなモデルを定めるべきか、まだ明確でない
・ザラ独特のコンセプトの持続可能性についてまだ議論がある
・アメリカ市場においてニューヨークはOKだが、このままアメリカで拡大できるかは疑問である
・アメリカに拠点がない
SCMにおけるアメリカの位置づけをどう考えるか

[分析]ZARAを、これからどうしていきたいのかorどうしていったらいいのか
(1)ファストファッション業界における、他社・競合との差別化(=ブランド面で)によって、「大衆向けor 非大衆向け」を常に意識する必要がある。
(2)マーケットを意識したブランド展開
(3)売上げup、店舗数upなどの具体的な目標設定
条件〉営業利益率を下げずに
また、[打ち手]は(3)を前提に検討しました。

B班:《問題点・分析》
まず前提としての、社長の意向確認→「海外に積極的に進出したい、しかし慎重に」
大きな方向性としては海外市場進取における戦略の考察に重点を置く(スペイン国内が飽和状態のため)
海外のターゲット国策定
・EU圏→工場が近くにあり、かつ関税がないことから
・米国→未開拓の市場がまだまだ大きい。
・BRICs諸国→ 成長市場かつ未開拓市場のため(前提が2000年時点のため)

進出において考慮すべき FACTOR
 1. ザラの最大の強みは在庫回転率の高さであること
 2. 関税などの政治的事情
 戦略
・EU圏→チャレンジングなデザインで差別化(競争相手には価格で勝てないため、回転率の高さを利用し少しリスクがある奇抜めなデザインで差別化。万が一、売れ残った場合でも構築したITインフラを用いて他の店舗へ配送できる)
・米国→米国における既存競合企業のマネ
・BRICs諸国→ 過去の失敗例からアッパー層をメインにターゲティングする。旗艦店を一店舗作りモニターしながら進出。

やはり化粧品・服飾業界のケースの際には、それらを利用している女性の参加が必須ですね。ケース分析に厚みがでることを実感しました。また個人的には、男性のみで「資生堂:中国市場への参入」のケースを行い、そして女性の参加を待ち望んでいた頃の不思議な光景が懐かしく思い出されました。

次回は1月下旬に「スターバックス・コーヒー」のケースを用いて勉強会を行う予定ですので、興味がある方がいましたらお気軽にご連絡いただければと思います!

2011年12月8日木曜日

財務諸表分析グループワーク

こんにちは。
嶋崎です。
もうすぐクリスマスですね。
いやー、クリスマスですよ、クリスマス!!!クリスマス〜♪
・・・クリスマス。。

さて、12月8日(木)の今回は財務諸表分析を中心に勉強会を行いました。
これまで、当団体では何度もケーススタディを行ってきたのですが、
どうしても数字のは話が少なくなり抽象的になりがちだということで、
全員が財務諸表を読み、ある程度分析出来るようにしようということで
今回の勉強会を行うことになりました。

まずは、導入のアイスブレーキングとして、メンバーの阿美さんに日経WOMANからの
記事を題材にして、印象が良いビジネスメールについて話し合いました。

そして、僕が財務諸表の基礎的な部分を解説した後、グループに分かれてグループワークを行いました。

様々な業界から代表的な会社の5年分の財務諸表を、31社分用意し、グループで
分担して分析し、投資家目線からの優良企業を3社選ぶということを行いました。

最低でも営業利益率、ROA、ROEを計算することを必須とすることにし、自分の手で何度も計算したため、今回、参加したメンバーは嫌でもこれらの算出方法を一生忘れないことになったと思います。


今回は、即時にインプットしてそれをアウトプットするというバランスが非常に良く、有益なものになったと思います。

次回はアパレル業界の世界最大企業ZARAのケーススタディを12月23日(金)13〜16時に行う予定です。
それでは、仙台は非常に寒くなってきましたがお体にお気を付けてお過ごしください。

2011年10月14日金曜日

ケーススタディ「トヨタ自動車:プリウスの誕生」

どうも、嶋崎です。
最近、某EBSGメンバーの方と一緒に食事に行くとおっぱいの話にしかならず少しとまどいを覚えています。

さて、今回は表題の通り、トヨタ自動車(以下、トヨタ)のプリウス開発に関するケースを用いて勉強会を行いました。
参加メンバーは過去最多の15名です。
東北大、宮城大、宮城教育大、東北学院大など大学も学部も様々で
非常に多様性の溢れる議論が出来たと思います。

大体、以下のようなフローで行いました。
1. 状況把握
・FACT抽出(リマインドも含め、ケースの中の重要な部分)
・自動車産業の特徴について
・トヨタの強み、課題(トヨタ生産方式や組織体制など)
2. 優れた製品開発を行うには?
・トヨタの成功要因
製品開発で考慮すべきこと
※製品開発のプロセス
コンセプト設定(将来の市場ニーズ、技術的可能性、経済的な商品性etc.)→車両全体の設計→部品の設計→試作車の制作及びテスト→工程エンジニアリング
3. 2011年現在のトヨタについて(10分プレゼン:熊本)
4. 財務分析(1999〜2011)
5. これからの戦略について(ケース及び現在の情報含め

[東北大学経済学部棟第12演習室にて]

















ディスカッションの結果、トヨタの製品開発は簡潔に言えば、
コンセプト重視の部門横断型製品開発」にあると言えそうです。
当時ではまだ珍しかったプロジェクト型の開発組織を発足させ、更に開発部門以外からプロジェクトマネージャーを選出したこと、そのプロジェクトに強い権限を与えたことなどがプリウスという「資源」と「環境」というコンセプトを忠実に表したハイブリッドカーの開発を成功させることが出来たと考えられます。
どうしても設計や生産工程を当初から意識し過ぎてしまうと、それほど画期的な製品開発は生まれることがないですが、トヨタのようにコンセプト重視にし大きな目標に向かって製品開発を行うということはなかなか出来ないことだと思います。

次に熊本さんから現在までのトヨタの概略(理念、マーケティング、海外展開、新規プロジェクトなど)をプレゼンしてもらい、その後に13年分のトヨタ、ホンダ、日産自動車の財務諸表を用いて収益性分析を行いました。 

最後に、これからのトヨタの戦略ですが、
「ソフトウェアへの大幅な投資」という意見が出たことが印象的でした。
マクロ環境要因を分析し、その中でも資産が潤沢な高齢者への市場、車離れを起こしている若者を取り込むためにも、長期的な視点で「自動操縦システムの開発」に取り組むべきという
ことについて話し合いました。

次回は10月下旬に行う予定ですので、興味がある方がいましたらお気軽にご連絡ください!

2011年9月16日金曜日

ケーススタディ「サムスン電子:グローバル・マーケティング」

どうも、嶋崎です。
先日、家の近くにリーズナブルで美味しいインドカレー屋さんを見つけてしまい、
卒業まで通い詰めてしまいそうで、我が胃の将来が心配です。(いつも辛さMAXにするため)


さて、先日サムスン電子(以下、サムスン)のケーススタディを行いましたので、その概要について書いていきます。
今まで扱ったケースの中にはパナソニックやシャープなどがあり、その度にサムスンが競合企業として議論に登場していたので、メンバーにとっては念願のケースでした。


サムスンは元々は農産物を生産する会社で、それから造船、化学、繊維などと事業を拡大し、その中で1969年にサムスン電子が設立されたそうです。
当初は、自社ブランドの製品は販売せず、OEMがメインでしたが、1993年の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の新経営方針によって、高級品とブランド価値への投資にシフトし、大きな変貌を遂げました。
ちなみに李健熙会長は早稲田大学の商学部卒なんですね。


そして、ケースの内容の中で。主に以下の論点で議論しました。

1. ハードとソフトの融合について
2. 垂直統合について
3. マーケティングについて


まず、ハードとソフトの融合についてです。
サムスンはソフトに関する事業には参入せず、ハードへの集中投資を行っています。
この動きは、Appleやソニーなどの企業と異なる動きです。
その結果、ソフトに対してはオープンにし様々なソフトウェアを使えるようになりました。
この動きには、顧客を囲い込みしにくいといったデメリットがありますが、ソフトウェアやコンテンツを自社で保護する必要性がないことは、大きなメリットであると感じました。


次に垂直統合(主にデバイス)についてです。
製品ライフサイクルが比較的早い電子機器を扱う企業は、外部委託(またまたAppleのように)が主流であるのに対し、サムスンは自社による製造に注力していました。
設備投資と在庫のリスクを背負いますが、供給先企業への特注品を作るためのスピードやフレキシブルさが得られ、結果的にサムスンのメモリーチップの平均価格は業界水準を17%上回っていました。


次にマーケティングについてですが、先ほども少し触れましたがサムスンは高級ブランドとして認められることを目指しています。
そのため、オリンピックスポンサーになることや、製品ではなくコーポレートブランドを押し出した広告を積極的に展開しています。
また、サムスンは地域専門家制度というものを設けていて、一つの国のことを調べるのに相当な予算を割いています。
ブランドを主に、コーポレートブランドに集中し、サブブランドを使用しなかったことも、成功要因だったのではないかという意見も出ました。


個人的にこれから気になるのは、近日、韓国政府が、サムスンに対してAndroidを放棄して対抗OSを開発することを要求したことですね。前述の通り、今までソフト開発に注力してこなかったサムスンはどう出るのでしょうか。


そして今回は、勉強会終了後に海外に留学するメンバーへの
送別会を行いました。なお次回の勉強会は、9月22日(木)16時から
プレゼン&ディスカッション形式(会計、経済、IT)で行う予定です。

2011年9月1日木曜日

ケーススタディ「楽天:Eコマース事業の創造」

こんにちは。田中です。
とうとう8月も終わってしまいましたね。
仙台も以前と比べてだいぶ涼しくなってきました。

さて、本日91日に楽天のケーススタディを行いましたのでその詳細を。

テーマ「楽天:Eコマース事業の創造」

楽天はみなさんもご存知、楽天市場を中心にトラベル事業や金融事業を行う日本を代表するEコマース企業です。
楽天市場というインターネット上の空間に多くの店舗に出店してもらい、手数料や広告料で収益を得るようなビジネスです。

創業(1997年)から04年までの同社の事業を分析し、
今後成長するための戦略についてディスカッションしました。

ちなみに03年の同社の経営成績について
売上高:180億(前年比83%増)
営業利益:47
(営業利益率:26.3%
税引前純利益:44
(税引前利益率:24.5%
04年度1Qにおけるセグメント別売上高はEC事業(43.2)ポータル事業(13.6%)旅行・エンターテイメント事業(14.0%)金融事業(31.6%)です)


1.なぜ楽天はEC事業に成功したのか
・競合よりも安い出店加盟料(競合の一般的な加盟料は20-30万円、一方同社は5万円)
・加盟店への教育システム(楽天大学を設置し、加盟店に販売や技術的な教育を行う)
・加盟店の品質と信頼性の管理
・豊富な商品ラインナップ
・営業力の強さ
コスト構造については熊本さんの説明が非常に参考になりました。
楽天の創業期(97年)頃は自前のサーバーを用意する必要があり、今のようにクラウドが普及していなかった為、現在ほどネット上でのビジネスへの参入が容易ではありませんでした。
そのため後発の企業も楽天の事業を模倣しづらかったというのが背景にあるかもしれませんね。

2.事業多角化について
2000年の株式公開以降、同社は積極的なM&Aの活用により事業を多角化します。
2000年のインフォシーク買収、03年のDLJディレクト証券買収など)

事業を多角化する際には
・既存の事業とシナジーがあるか
・経営資源が分散しないか
という点を考える必要があります。

その視点から同社が行ってきた多角化は既存事業とのシナジーを生み出すものが多く
多角化させることにより楽天が提供するインターネット上の空間の価値を高めることに成功したように思います。
一方、ポータル事業(インフォシーク)については買収以降Yahoo!google,MSNと比べて存在感が低下しており、
今後も果たしてポータル事業を継続していく合理性があるのかどうかが話し合われました。
(買収時にはインフォシークユーザーを楽天に取り込む大きな役割を果たしたと思われます)

そして最後に、今後同社に求められる戦略や新しいサービスの立案を行いました。
・     同社の強みであるトラベル事業を中心に、中国をはじめとする途上国への事業展開
・     医療や福祉、教育とインターネットを組み合わせたサービスの構築
・     ぐるなびやホットペッパーのような飲食店の紹介サイト
(下の二つについては楽天市場と組み合わせる戦略で事業シナジーが生まれるのではないかと思います)


現在多くの日本企業では国内のマーケット縮小に伴い、海外への事業展開が急ピッチで行われています。
楽天も英語社内公用語化を進めていることからもわかるよう他社同様に海外展開に力を入れていますが、
一方国内においても多くのビジネスチャンスが転がっており、新たなサービスの考案次第で国内でも成長の機会が豊富に存在しているのではないかと感じました。


 



次回の勉強会は98日(木)17:00-20:00
「サムスン電子:グローバルマーケティング」のケーススタディを行います。
興味のある方は是非ともお気軽にお問い合わせください。

2011年8月20日土曜日

ケーススタディ「シャープ:技術戦略」

どうも、嶋崎です。
仙台の花火大会の日は、一人でつけ麺食べてました。
花火の音を聞きながらの、つけ麺は美味しいですよね!

さて、8月18日(木)に行われたケーススタディについて書いて行きたい
と思います。
今回使用したケースは、『シャープ:技術戦略』です。

シャープと聞いてまず思い浮かぶのが液晶テレビAQUOSを代表とした液晶製品、
そして白物家電、ソーラーパネルですね。

シャープの中で創業時から受け継がれている方針は、”他社が模倣したくても出来ないものを作る”です。とりわけ家電メーカーが多い日本において、その中でもシャープの製品は独自性に溢れているものが多いと感じます。

ケースには、シャープが1960年代、技術が発展する不確実性が高いと思われており
他社が撤退していた液晶の技術開発をシャープは地道に続け、初めて電卓に導入したところ、それが業界標準になったことや、技術同士の統合を行うための事業間を超えた共同プロジェクトの取り組みなどが紹介されていました。

そして、それを用い、下記のような流れで行いました。

1.経緯、事実の整理
2.技術戦略が成功した要因(内的、外的要因から)
3.2000年以降から現代までにおけるシャープについて(プレゼン) 
4.それらの情報をふまえた上でのシャープの分析(強み、課題など) 
5.2011年現在時点での、これからの戦略について

技術戦略が成功した要因としては、
・トップダウン型組織が上手く機能した
・製品を出す→新技術を開発→製品を出す→繰り返し・・・というスパイラル戦略
・シビアな部門間調整による競争意識(会社内の取引でも価格を安くしないなど)
・リスクを恐れないDNAが組織に根付いていること(技術、またデザインへの投資について)
・違う製品の工場を近場に配置していること(液晶工場と半導体工場)

などを議論しました。

今回のケースは1992年に作成されたもので、非常にケース内容が古かったため、現代までの情報を加えるということを実験的に行いました。

そのため、田中から2000年に入ってから現代までのシャープの概要をプレゼンしてもらい、その上で強みや課題、これからの戦略を議論しました。



盛り上がった議論としては、シャープが垂直統合型ビジネスをやめつつあることについてです。
※垂直統合型・・・一つのメーカーが製品に対して部品設計から製造まで全てを行うこと

これを議論するには、メーカーを扱うケーススタディには欠かせないアーキテクチャという概念についてを共有してそれを軸に議論を行いました。

アーキテクチャってなんぞや?って方はインターネットや書籍などで調べてみてください。
これほど、今のビジネス(とりわけメーカー)を語る上で面白い概念はなかなか無いと思います。

これからの戦略については、なかなか難しかったのですが、
・AQUOSを液晶ブランドとして、他社にも供給していく
ことについて検討してみました。

液晶テレビで世界最大シェアを誇っているサムスン電子でさえ液晶事業は赤字という状況で、この先シャープがどのような戦略を行っていくのか楽しみです。

今回は勉強会に初めて参加して頂いた方が3名もおり、ますます多様性のある議論が出来たと思います。
次回の勉強会は8月下旬〜9月上旬のどこかで行う予定です。
詳細が決まりましたら、またHPでお知らせ致します。

2011年7月28日木曜日

ケーススタディ「プロダクションIG:アニメというビジネス」

初めましてブログを書きます,熊本です.

暑さで溶けかかっていますが,7月14日(木)に行われたケースの報告です.

テーマ「プロダクションIG:アニメというビジネス」

参加者:7名

「ケース・スタディ:日本企業事例集」(HBS著)は製造業を取り扱ったものが多い中コンテンツ産業を扱った特異な事例です.

アニメ制作には莫大なコストがかかますが制作会社には資金がありません.

資金調達と利益の分配の場としての製作委員会というアニメ業界に固有の組織の理解に始まり,

巨大資本であるテレビ局に支配されていた状況の確認をしました.

業界の構造に挑んだことから本書に取り上げられたのでしょう.


変革

製作技術のマニュアル化,製作工程の分業化を進め,短期間での人材育成を可能にする.

出資をし作品の著作権を持ち,利益を生み出し,それを投資し次の利益へと結びつけていく.

今後どのような戦略を取るべきか?
◎ターゲットとなる層を増やす
攻殻機動隊に代表されるようにターゲットとなる層が大人向け・男性向けに偏っており非常に狭いです.

また,アメリカでの評価は非常に高いのに対し,日本ではコアなファンはいても一般まで広がっていません.

新たな層(女性層)を狙った作品を製作する.

◎IT を利用し新たな販路(配信チャンネル)を生み出す
現在のテレビ中心のチャンネルからの脱却し,より自身でコントロールできる市場を構築する.

ネットという存在がテレビというメディアにどのような影響を与えるのかとも関連してきます.



普段取り扱っている事例に比べ仮定が多くなり,議論が宙に浮いている感が否めませんでした.


次回の勉強会の日程及び内容は未定です,決定次第,再度HP上にて詳細をUPします.
それでは今後も多く方の参加をお待ちしております.

2011年7月7日木曜日

ケーススタディ「日産自動車:再生への挑戦」

こんにちは。田中です。
最近の仙台は30℃を越える日が日常化しつつありますが、一昨年などは30℃を越える日が数日しかなかったことを考えるとちょっと今年の天候は異常に感じてしまいます。
こんな時こそビアガーデンで思いっきりビールに浴びてみたいものですね。

さて本題に入ります。
先週630日(木)に今年4回目の活動を行いましたのでその報告を。

テーマ「日産自動車:再生への挑戦」

日産自動車は皆さんもご存知のように日本を代表する自動車メーカーです。
同社は90年代以降慢性的に最終赤字を記録するようになり、膨大な負債を抱え経営危機に陥りますが、
そこで新たな提携先に選ばれた企業がフランス・ルノー社であり、日産の経営を立て直す
為に99年にカルロス・ゴーン氏がCEOに指名されます。
以下ゴーン氏が行った改革(日産リバイバルプラン)の内容とその評価について重要なものを記していきます。


「機能横断型チーム(CFT:クロスファンクショナルチーム)の設置」
:官僚主義的な分断された社内組織において、機能横断型の解決策の策定の為に組織されました。
 また優秀なミドル以下をモチベーション向上にも大きな役割を果たしました。

「大規模なコスト削減」
工場閉鎖…国内生産能力の削減のため(背景に生産能力超過や過剰設備投資など)
調達先の絞込み…交渉力の強化、過剰品質の解消 →系列を解消し、後に鉄鋼業界の再編をもたらす。
販売組織の再編…小規模小売店の大規模集約化・効率化

「人事制度改革」
コミットメント…報酬・昇進と結び付けられた年間目標(必達目標)
ターゲット…実力よりも背伸びした目標(ストレッチ目標)
ここでは過去、成果主義の導入に失敗した企業(富士通など)を引き合いに出し
何故同社において成果主義が機能したのかについて話し合われました
(目標設定方法や公正な評価能力が重要に。入社数年の育成期間は年功賃金、後に成果主義賃金導入の組み合わせ方式など)

また他に評価されるポイントとして
・製品プラットフォームの統合・削減
・研究開発費を大きく削減しなかった点(長期的な競争力を保つ為)
などが挙げられました。

以上の改革を行い、日産自動車は01年には営業利益率4.8%02年同7.9%を記録するほどのV字回復を達成します。


一方課題として挙げられたのが
・大規模なコスト削減を果たした一方で売上高がほとんど上昇してない点
固定資産回転率(売上高/固定資産)の低さ →資産の効率的な活用が不十分
などです。



そして今後求められる戦略として
固定資産の縮小…生産の海外移転
代表的なブランド車の確立
EVやハイブリッドカーなど環境対応車の開発
などが挙げられました。


今回のケースを振り返って、特に印象に残ったのがゴーン氏のリーダーシップでした。自身の行った改革を振り返り以下のように述べています。

「最も重要な教訓は、明確な目標と戦略を示し、社員に権限を与え、注意深く結果を監視し、現実から目を話さないようにすれば、驚くほど大きな成果が生み出せるということです。」

上からの押し付けの改革ではなくボトム・ミドルからの提案型の改革であり、
ゴーン氏が日産自動車を、そして日本人を理解していたということが今回のケースを読んで感じとることができました。


今回は時間の関係もあり“今後の戦略”の部分について充分な議論ができなかったように思います。

また今回のケース以降(03年~)の同社の経営成績や戦略について、
次回の勉強会の頭にちょっと振り返る時間を設けてみたいと思います。


次回はプロダクション・アイジーというアニメ製作会社のケース・スタディを行います。
7月14日(木)17:0020:00に東北大学川内南キャンパス経済学部棟の第5演習室で行いますので、興味を持たれた方は是非ともお問い合わせください。

2011年6月24日金曜日

ケーススタディ「松下電器産業:危機と変革」

こんばんは、お久しぶりです。 
最近のインナーがよく七分丈、
アウターはよく兄貴と似通っています。佐藤です。笑

今年の夏は自分にとって勝負の季節なので、
学問にも全力で励みたいと思っています。

さて、それでは本題に。
今年度3回目の活動である今回は、松下電器産業(現社名:パナソニック)の
「危機と変革」にまつわるケースを用い、ケーススタディを行いました。 
※実習やゼミ等で欠席者が出てしまい、合計4名での議論
≪主なキーワード≫「経営理念」「事業部制」「流通チャネル(加盟店制度)」
「MCA買収」「マーケティング」「セル生産方式」など 

松下電器は、経営の神様として知られる松下幸之助氏が創業し、
ご存知のとおり、戦後の日本を代表する電子・家電機器の総合メーカーです。 
また同社は、創業当初から「共存共栄」の理念を基に「水道の水のごとく物資を無尽蔵たらしめ、無代に等しい価格で提供することによって人々に幸福をもたらす(水道哲学)」ことを使命としていたと言われています。 
なお、今回の主な議論点は ①“なぜ創業当社から機能していた経営が90年代頃から陰りが出始めたか”そして ②“創業者の経営理念固執した経営からの脱却過程における諸改革に関して”であったかなと思います。 

まず、ケースの中で同社の優れていた点として上がったのは 
1. 事業部制の導入
1)顧客のニーズを汲みやすい
2)意思決定のスピードが速くなる
3)競争意識を生む

4)トップの負担減
2. 流通チャネル‐加盟店制度‐
1)顧客との近さ(手厚いアフターサービスが可能に)
2)売り場のコントロールがきく 
3)CRMできる 
4)販売員強化
3. マーケティング部門を統一した
1)コンセプトや規格の統一
2)販管費の削減
4. 経営理念のもと一貫した戦略
1)大恐慌のときでも社員のレイオフを極力さけた
2)物資の生産に次ぐ生産をもって富を増大させる
3)確固な流通ネットワークの構築
5.早期退職計画の導入
⇒若手経営陣の登用につながる

次に同社の課題点として上がったのは、 
1. 事業部制 導入によるデメリット
1)縦割りになる
2)マーケティングの重複 
3)各事業部長の戦略がバラバラになるおそれ
4)販管費の高さ
2. 流通チャネル‐加盟店制度‐
1)開店・維持に経費がかかる
2)大型小売店と比較した際の品ぞろえの少なさ 
3)販売範囲の狭さ
4)対象顧客の固定化
3.強力な競合の存在
⇒国外では韓国のサムスン、国内ではソニーなど
4. 時代の変遷にともなう外部環境の変化
⇒おもな電子・家電機器が需要超過から供給超過となった
5. 創業者の経営理念からの脱却
⇒固執するあまり、その理念のもとに策定される戦略が
時代の変遷や環境の変化に適合しなくなった
6.ITの導入・活用
⇒いかにして広告費や固定費の削減につなげるか 

などの意見が挙がりました。

また、それらを考慮した上でのこれからの戦略については
 
まず経営理念からの脱却をはかり、新たに一貫性のある戦略を策定すること。
またそれによって事業部制や流通チャネルのデメリットに関して見直し、マーケティングの重複等をなくして固定費や販管費の削減をはかること。ハードとソフト間の関係によって価値を高める戦略(M&A・研究開発の強化またはアウトソース)の考案すること。

などの意見が挙がりました。  
 
昨今の「電子・家電機器業界」はサムスンやソニーといった競合が手強く、そして市場が飽和しており、とても厳しい環境です。
しかし2000年以降に中村社長のもとで創業者の経営理念からの脱却をはかることが可能となれば、松下(現パナソニック)は十分にこの危機を好機にすることができると思います。
それは戦後から日本を代表する企業で有り続けることができた事実つまりそこで培われた優れた人材や技術がこれから証明すると考えられます。

今回は参加者が少なかったにも関わらず、非常に白熱した議論になったと思います。
次回は、6月30日(木)19時から、仙台市民会館で
「日産自動車:再生への挑戦」のケースに関するディスカッションを約8~9名(2グループ)で行う予定です。 

末尾になりましたが、今なお新メンバー大募集中です!
少しでも興味のある方、おりましたらお気軽にお問い合わせください。 
就職活動を終えるなどして、有意義な時間を過ごしたいなと思われている方は見学または体験にぜひ。
ともに刺激的な3時間をつくり上げましょう!

2011年6月7日火曜日

「ソーシャルグラフ×スマートフォン」と「政府支出による雇用創出」


嶋崎です。
そろそろ半袖でも大丈夫な季節になってきましたね。
そうやって夏になって花火大会、そうするうちにすぐに冬になってクリスマスだと思うと何とも言えない焦燥感のようなものが襲ってきますね。
今のうちです!!!!なんのことやら。

さて、今回は二部構成で第一部はメンバー一人がプレゼン、それに関するディスカッション、第二部は経済政策に関するディスカッションを行いました。

第一部はメンバーの笠原くんがプレゼンを担当しました。(写真が暗くて申し訳ないです)
テーマは「ソーシャルグラフとスマートフォンを利用したアプリ」について。
ソーシャルグラフとは、主にSNSなどのソーシャルメディアで作られたウェブ上での人間関係です。

事例としてGPS機能を使った旅行業界の活用を挙げてもいらいましたが、このソーシャルグラフとスマートフォンの組み合わせによってどのようなアプリを作ることが出来るかメンバーでディスカッションしました。

近所のネットワークや住宅管理者とのコミュニケーションをするアプリ、食べログのように物件の評価を書きこむアプリなどの意見が出ましたが、中でも一番盛り上がったのはみんなの「飲みたい」を共有するアプリでした。
例えば、Twitter利用者がそのアプリを使うと、アイコンにジョッキのマークが付き、他の飲みたい人に伝えられかつその際、お勧めのお店が出るというものです。
それから発展して、例えば「カフェに行きたい」とか「ラーメン行きたい」とかそういった欲求をオープンにしてマッチングさせるという方向性に行けるのではないかと。
どこで収益を出せるかまでは詰められませんでしたが、実現性としてはアリだと思います。実際に欲しいです。

第二部は『日本経済〈2010‐2011〉景気「再起動」の条件』の資料を用いて、ディスカッションしました。テーマは、「政府支出による雇用支出」についてです。

資料では、例えば建設業などへの公共投資、そして介護保険の創設による介護事業などの雇用創出はある程度の効果があるという結果がありました。
そしてその上で、そもそも乗数とは何か、公共投資の評価軸などの認識をある程度統一させて議論を行いました。

国ではなく地方自治体に公共投資の権限をどの程度与えるのか、また目的税などによって最初から予算枠を設定しておくと必要ない部分に投資される可能性があるのでまずは投資する部分を決め、それに応じて予算を配分してはどうかなどを議論しました。

また政府支出の効果としては、短期的なものではそれほど意味が無いという意見や、景気を直接上げることは出来ないが下げを抑制する効果はあるといった意見が出ました。

後は、雇用規制の厳しくすることの是非についても議論しました。

今回の反省としては少しテーマが広すぎて、議論がしにくかったので次回からはもう少し論点を絞って議論しようと思いました。

次回は、6月17(金)(18時~)に松下電器産業(現パナソニック):危機と変革」のケーススタディを行います。

2011年5月18日水曜日

ケーススタディ「資生堂:中国市場への参入」

どうも、メンバーの嶋崎です。
去年は、学部4年だったのですが、現在も学部4年です。
大学から、君には是非もう一年残って欲しいという通知を頂き、もう一年残留することに
なりました。
そのため当団体と共に、充実した一年にしようと考えております。

さて、そんなことはどうでも良いので、本題に入ります。
今年度の活動一回目である今回は、資生堂の中国展開にまつわるケースを用いて、
ケーススタディを行いました。
初めての方が3人参加して下さり、合計7名で議論を行いました。
主なキーワードは、「マーケティング」「ブランド」 「中国市場」だったかなと思います。

資生堂は、当初は薬局からスタートし、ご存知のとおり現在では日本の代表的な化粧品メーカーです。
「美しさと幸せへの貢献」を信条として、近年、カネボウの化粧品部門を買収した花王にシェアを抜かれるまでは、何十年に渡って日本国内のシェア一位を守り抜いてきました。

ケースの中で同社の優れていた点として、上がったのは
・徹底された高品質の製品とサービス
・ブランドに合わせたマーケティング展開
・規模の経済や高付加価値製品による粗利の高さ
・海外現地の文化に合わせた製品
・早い時期に中国に展開し、かつ政府との良好な関係を築いたこと
・製品ラインを大胆に削減したこと

次に同社の課題点として上がったのは、
・高品質を維持するがためのミドル・マス市場への弱さ
・チャネル転換の遅れ
・販管費の高さ
・潜在ニーズを汲み取るためのマーケティングの弱さ
・グローバル人材の少なさ
 などの意見が挙がりました。


それらを考慮した上での、これからの戦略については
まず中国展開における戦略は、
・所得が高いアッパー層への高級なブランドイメージ維持のため、
 トイレタリー製品は非資生堂ブランドとして販売する
・化粧品のターゲットをミドルアッパー層まで拡大する

次に全社での戦略は、
・ブランドを減らし、メガブランドを育成する
・Webチャネルの強化
・高齢社会に向けたシニア層へのブランド開発orブランド拡張
・中国以外の新興国への展開(種を撒く)
 などの意見が挙がりました。

化粧品業界は米P&Gや仏ロレアル、英蘭ユニリーバなど、海外企業が非常に強力なため、競争が激しい業界です。しかし、メイクアップよりもスキンケアの文化が強い巨大なアジア市場が主な戦場になるのであれば、
同じような肌の色や化粧文化を持った日本ブランドである資生堂は十分に戦っていけると思っています。




今回は初めて参加の方が多かったにも関わらず、非常に白熱した議論になったと思います。

次回は、6月第一週目にプレゼンand経済政策に関するディスカッションを行う予定です。
少しでも興味のある方、おりましたらお気軽にお問い合わせください。

2011年3月6日日曜日

ケーススタディ「旭硝子:EVAの導入」

こんにちは。
稲葉です。

今回は32日に行ったケーススタディ「旭硝子:EVAの導入」の内容についてお伝えします。

旭硝子は名前通り、ガラスを主力製品とするメーカーで、国内のみでなく、世界においてもほとんどの製品がトップシェアをとっています。今回、取り上げたのはグローバルトップ企業である旭硝子がさらなる企業価値の向上を目指して、経営指標としてEVA(Economic Value Addedを導入したケース。

ちなみにEVAとは企業が生み出した価値を測る指標で事業活動から得られた利益>から<投下資本にかかる資本コスト>を引くことで求めることができます。ぶっちゃけて言うと売上高営業利益率とかROAの仲間です。

このEVAは資本コストを考慮できるところが画期的だそうです。例えば、経営指標として営業利益率を用いた際には株主資本コスト(株主へ支払う配当とかですね)は考慮されません。損益計算書には他人資本コスト(負債の支払利息)は計上されても株主資本コストは計上されないので。
そのためEVAを用いれば、より適切な資本の利用を意識できるというわけです。

さて、前置きが長くなってしまいましたがディスカッションの内容をお伝えします。

ディスカッションはケーススタディの基本にのっとって
1.同社のビジネスの背景・経緯を整理
2.同社の経営の優れた点を分析
3.同社が抱える問題点を指摘
4.ケース終了時点で同社が打つべき打ち手の検討
という流れで行いました。

まず1では同社が創業後、比較的早めに海外展開を行ったことや高度経済成長期のメインバンク制による間接金融から資本市場を用いた直接金融へのシフト、そしてEVA導入の大まかな流れについて確認しました。

2で挙げられた優れた点は
①高い製品競争力⇒世界トップシェアの製品がほとんど
EVA導入を試みたこと⇒日本では先駆的&株主価値向上を考慮すれば妥当
③早めに海外展開したこと⇒挑戦的な企業文化を醸成

と言う3つですね。

また3で挙げられた問題点は
EVAによる評価が根付いていない
②カンパニー制移行によるカニバリゼーションの恐れ
③日本人従業員数を全体の6%に抑えるという目標設定⇒モチベーション低下の恐れ

と言う感じです。

①はまず資本コストの計算が難しく、従業員の間になじまなかったことやEVAの計算方法が企業ごとに異なるため、投資家とのコミュニケーションに使用できないという点が指摘されました。
②については一見大きな問題点のように見えますが、コーポレート部門と事業部門の線引きが明確化され共通業務をしっかりとコーポレートが担っていることや市場の共通性が低いことを考慮するとあまり問題ではないという結論に至りました。
③は日本人従業員数の割合を減らす=グローバルで活躍できる人材がそろうわけではないことや大きな不公平によるモチベーション低下の可能性が指摘されました。

これらを踏まえた今後取るべき戦略では
EVAの他にROAなどの指標を併用
②日本人従業員数の割合と言う目標設定をやめ、コンピテンシーモデルで有能な人材を評価

などが挙げられました。

今回のケーススタディではメンバー全員がEVAなどファイナンスの指標に関する理解が不十分だったことや議論の進行やコミュニケーションがまずかったこともあり、充実したケーススタディにすることができませんでした。

これを反省として各自、改善に結び付けていきたいところです。

次回は318日(金)ケーススタディ「資生堂:中国市場への参入」を行います!
参加を希望される方はお気軽にご連絡ください!

2011年3月2日水曜日

ケーススタディ体験会!         「アップルの復活:iPodの快進撃」

こんにちは。田中です。
ちょっと遅くなってしまいましたが、先日2月16日(水)に行われたケーススタディ体験会のブログをupします。

「ケーススタディに興味はあるんだけど、実際どんなことやってんの?」
「EBSGの勉強会に参加してみたいんだけど、ちょっとキッカケがなくて…」
みたいな方も中にはいらっしゃると思うんですが、
「とりあえず… ケーススタディを実際に体験してみてください!!」
というコンセプトで、今回体験会のイベントを開催しました。

ケース題目:「アップルの復活:iPodの快進撃」

ディスカッションの流れは以下のとおりです。
1.事実の整理
2.アップル社の経営の優れた点の分析
3.アップル社の問題点を分析
4.今後アップル社が採りうるべき戦略(06年時点における意思決定として)
今回は当団体メンバーの4人に、体験会参加者5名を加えた計9人のため、
グループを二つにわけてディスカッションを行いました。


以下、アップル社のケースの中で僕が特に印象に残っている点をいくつか挙げてみます。

・アップル社の強みはソフトウェアにあり
アップル社はご存知の通り、iMacやiPod、そして現在ではiPhoneやiPadなどの設計、開発、販売を行っている会社ですが、その競争力の源泉となっているのはソフトウェアであるという点です。
これは具体的にいうと、iPodというハードは魅力的な製品ですが、その価値を高めているのが、iTunes、iTMS (iTunes Music Stores )などの「楽曲購入→保管→再生」という一連のシステム、つまりソフトウェアにあるということです。ジョブズは『ソフトウェアはユーザー体験そのものである』と述べています。

・技術優位性だけではない、製品開発コンセプト
実際に製品開発における技術力において、他社が決してアップルに劣っているというわけではなく、また有料音楽配信サービスもiPodがブームになる2年前 の99年からSONYは行っていました。しかし、アップル社は「デジタルハブ構想」や「ユーザー・フレンドリー」の視点によって他社よりも魅力的な製品・ サービスを提供することに成功しました。
またその際に、アップル社の意思決定スタイルも重要な役割を果たしたことは注意すべき点です。

また以下のような点も評価ポイントに挙がりました。
・ 価格設定(コスト優位性)
(←低い流通マージン、製造のアウトソーシングなどが背景に)
・ デザイン重視
・ ブランド戦略
・windowsとの相互利用が可能に

一方課題と、今後採りうるべき戦略として
・既存製品の品質改善
・従来の製品とは異なる新型高機能製品の開発
なども挙がりましたが、やっぱり重要なのは以下のことですね。

「ジョブズの後継者問題」

良くも悪くも(?)、これまでアップル社の経営はジョブズのカリスマ性にかなりの部分を委ねられてきたので、長期的な成長のためにはジョブズが引退した後の経営者が重要になるでしょう。
「そのための人材が育っているのか?」
「また他社からスカウトしても、アップルの独特な企業文化の中で手腕を発揮することができるのか」
などディスカッションでは最も難しい経営者の問題ですが、やはりアップルにいてはこれが
一番関心のある問題ですね。
今回のケースは難しいテーマではありましたが、参加者も多かったことから、様々な視点か
らディスカッションが出来ました。
ケーススタディでは、一つの事実、数値を様々な側面から分析することでディスカッション
の質は向上します。
当団体は今後も参加者を募集しています。
見学からでも大丈夫ですので、興味がある方は是非とも田中(k.tanaka1.20@gmail.com)までご連絡ください。
次回の勉強会は明日3月2日(水)、テーマは「旭硝子:EVAの導入」です。

2011年2月13日日曜日

プレゼン&ディスカッション 2月7日(月) @仙台市戦災復興記念館

ひゃっほーい。ニューフェイスの佐藤です。
こんにちは!そしてはじめまして。
本当はよく「ベビーフェイスだね。」という声を周囲からいただくのですが、
初回くらいはニューフェイスの佐藤で更新させてください。笑

詳しい自己紹介は長くなりそうなので
EBSGホームページのプロフィールにて。

ではこの辺で本題に移らせて頂きます。
2/7()の勉強会は、まず各メンバーが15分から30分程度プレゼンテーションを行い、その後ディスカッションをするという形式で行いました。

テーマは以下の三つから好きなものを選択。

1.経営学の様々な分野への応用
2.優れた経営者について
3.気になる国について

と、ここでは正直お堅い内容になるのでは・・・
と思っていました。^^;

1人目の崎さんはテーマ3を選択。オリンピックや万博も開催され、成長著しい「中国経済」に関してのプレゼン。中国のGDP、人民元、そして政権交代に目を付け、それらを中心にわかりやすく説明されていました。
特に胡錦濤から習近平への政権交代は多方面に影響がありそうですね。個人的には通貨の人民元からの考察も興味深かったです。ちなみにその時に、週刊ダイヤモンド(2010.07.03)に「人民元の弾力化」「“事実上のドルペッグ”に終止符を打った」というワードが載る記事も、もしかしたら関連するのかなとも考えていました。

ディスカッションは、「日本から考える中国との付き合い方(機会と脅威)」 で、工場等の中国移転はすべきか否かについて中心に議論。市場が大きくコスト削減も可能という理由から移転すべきという側と、失敗例もあるためその判断は 慎重にという側に分かれました。そこでは、なかなか「こうすべき」という案は決まらず。深い議論ができました。これもディスカッションの醍醐味ですね。


2人目の僕はテーマ1を選択。昨今の企業不祥事に焦点を当て「経営倫理」に関するプレゼン。(大学で「経営倫理」という授業があり、更に知識を深めたいと思ったのもこれを選んだ大きな理由です。) 皆さんもよくご存じの“会計不正や食品表示偽装”で経営破綻まで追い込まれた企業をいくつか取り上げました。
こうした不祥事は、経営学というフレームワークに当てはめて分析するだけではリスク回避することは難しい時代なのかなと思います。(あくまでメディアを通して見知った問題を見る限りは。) そこで、僕の場合は倫理の視点を加えたものを考察しましたが、ほかにも何らかの方法で、そのリスクはある程度回避することが可能ではないかとも思います。
ディスカッションでは「どこまで倫理観を適用すべきか(主体と範囲)」で、価値観や倫理観を議論するのは難しいと強く感じました。そこでは、法律が一つの基準になるのではという貴重な意見もいただきました。


3人目の中さんはテーマ3を選択。「トルクメニスタン~独裁による国家運営の可能性~」についてプレゼン。この国をご存じの方はなかなかいないでしょう。笑) ちなみにEBSGの勉強会に参加した他のメンバーは知りませんでした。 
これほどマニアックな国を取り上げて“独裁という集団を用いても国民の厚生水準を高めることができれば良いのではない か?”と“それとも独裁では国民の厚生水準を高めることはできないだろうか。”をディスカッションしました。それらを「ベンサムがいう最大多数の最大幸福」「過去の独裁国家の前例」や「自由は最低限与えられるべきという前提」から考えました。

他に、ニヤゾフの奇妙な施策の説明も。例えば「815日をメロンの日に制定→私が好きだから」「外国人がトルクメニスタン人と結婚する場合、5万ドルの税金が必要→トルクメン女性が美しすぎるため」などなど。それらも含めてとても惹き付けられるプレゼンでした。そのように他のメンバーも感じていたでしょう。


4人目の葉さんはテーマ2を選択。「ルイス・ガースナー」についてプレゼン。彼は、ハーバード大ビジネススクール卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。そして1993IBM初の外部出身CEOに就任。同社にて改革を成功させる。で知られているようです。アーキテクチャによるコンピュータの構成の違いから、詳細に説明して頂きました。
またガースナーの改革を、時系列を追っての説明をされていました。
ですが僕には難しかったようです。^^; 
やはりこうした分野も理解できるようにならなければ、次回のアップルの事例やクラウド関連の事例に対応できないので勉強しなきゃならないと感じました。このような気づきが得られてとても良かったです。

今回は僕の後輩1名が見学に来てくれました。とても嬉しかったです。
そして次回は2/16()のケーススタディ体験会です。より多くの参加者に来て頂ける事を楽しみにしつつ、それではこの辺で。

最後になってしまいましたが・・・
まだまだ未熟ですが、今後ともよろしくお願いします。m(__)m

2011年1月16日日曜日

富士フイルム:第二の創業

こんにちは。
嶋崎です。
この時期は、インナー、タイツ、靴下と全身ヒートテックがデフォですよね。
僕は、毎年1,2枚ヒートテックを買うのですが、4,5年前のヒートテックインナーは
伸びに伸びて、ワンピースみたいになってます。すごい伸びるんですよ、あれ。
その分、薄くなりますけどね。

さて今回は、1月13日に行った富士フイルムのケーススタディの様子について
書いていこうと思います。
また、今回から、新メンバーである佐藤君が加わりました。
佐藤君については「活動メンバー紹介」のページで、御覧ください。

富士フイルムのケースは利益率の高かった写真フィルムの需要減少に対応して、
これまでの技術をを活かした、材料、医療機器、化粧品などの他事業へと
注力を進めたという内容でした。
議論は、
1.まずケースの内容を整理。 
2.同社の業績改善を成し遂げた要因の分析 
3.同社の問題点を分析
4.同社の今後(2006年以降)の、戦略を考える 

というプロセスで行いました。

まず1.業績改善を成し遂げた要因の分析については、
・事業多角化
・早くからデジタル分野のR&Dを始めていた事
・製品がプロダクトアウトで作られていたこと

 3.問題点の分析については、
・事業における参入退出ルールが不明確である
・マーケティングが弱い

などの意見が挙げられました。



最後に4.今後の戦略については、

・コア技術に絞り込みR&Dを行う
・マーケティングの強化のため(特にデジカメ)
・アジア市場開拓
・フィルム事業、化粧品事業の存続について
・シンプルなルールで事業の参入・退出を決める
・ボトムアップの経営を推進
などについて議論を行いました。

事業の参入・退出のルール設定については、コア技術を利用した事業であれば、
広い範囲で事業参入し、退出については事業ごとにそれぞれの指標(時間、ROIなど)を作ったほうが良いということで意見がほぼ一致しました。

今回の議論は、全体を通して多角化戦略技術経営(MOT)が主なキーワードだったと思います。

僕の感想としては、富士フイルムはフィルム作りで培った技術をコアとして
様々な事業を作っていくということで、三菱化学や三井化学のような化学メーカーに近いという印象を受けました。

次回は、テスト期間のため少し間があきますが、2月7日(月)に、
経営学、優れた経営者、海外の国の経済事情などのテーマから
プレゼン・ディスカッションを行う予定です。

2011年1月9日日曜日

今年初のプレゼン

こんにちは。
仙台は雪が舞う寒い一日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

本日は16日に行われたEBSGのプレゼンについて、稲葉がお伝えします。

今回も
. 気になるノーベル経済学賞受賞者について
.気になる商品、サービス等(経営学や経済学に絡めて)
. 気になる社会制度
という三つのテーマから、各自好きなものを選んで、プレゼンをしました!

はじめに田中君がGROLYという会社について、プレゼン。

あまり聞いたことがないかもしれませんが、
GROLYはレジやATMなどに使用されている貨幣を数える機械を製造している会社です。
国内シェアが70%を超える製品もあり、知る人ぞ知る優良企業!
私たちが知らないところにも優良企業が隠れているということを再確認しました。

プレゼン後は今後の成長戦略について、ディスカッション。
事業領域や海外展開がキーポイントになりそうだという結論になりました。

ちなみに田中君はバイトをしている某ファミレスに
GLORYの製品が導入されたのをきっかけに知ったそうです(笑)

次に金井君が「経営学の実生活への応用」をプレゼン。
実はお題から外れているのですが、そこがアメリカ帰りの彼らしいところです。
自由人ですね。

そんな自由人の彼が経営学を応用させようとした分野は「恋愛」です。

斬新な試みなのか、手あかがつくほど先人たちも試みたものなのかは
定かではありませんが(笑)
メンバーをひきつけるテーマであったのは間違いありません!

彼はブルーオーシャン戦略やランチェスター戦略を元に、
恋愛において取るべき戦略を提言しました。
詳細を知りたい方は金井くんに聞いてみてください!笑(twitterID: @shizuki0721

このプレゼンで特筆すべきは彼が使っていたプレゼンソフト。
MacBookAirを購入した彼は、Keynoteでプレゼンしていました。





Key noteのデザインは素晴しく、attractiveなテーマとともに
僕たちを惹きつけてやみませんでした。

三番目のプレゼンは嶋崎君。
テーマはW.W.レオンチェフ」

彼は産業連関表を用いて、感応度係数と影響力係数の分析。
他産業の需要から被る影響を表す感応度係数と、
他産業の産出量に与える影響を表す影響力係数を算出。

様々な産業の係数を見ることは非常に興味深いものでした。


最後に稲葉がJ.ヒックス」について、プレゼン。

ヒックスはIS-LMモデルを構築したことで、ノーベル経済学賞を受賞。
その業績を理解するためにはケインズの理論を知らなければなりません。

ケインズが提唱した失業が生まれる理由を中心にプレゼンしました。


今回は卒論提出直後と言うこともあり、軽めのプレゼンになりました。
次回(1/13)は「富士フイルム」のケーススタディです。