2011年9月1日木曜日

ケーススタディ「楽天:Eコマース事業の創造」

こんにちは。田中です。
とうとう8月も終わってしまいましたね。
仙台も以前と比べてだいぶ涼しくなってきました。

さて、本日91日に楽天のケーススタディを行いましたのでその詳細を。

テーマ「楽天:Eコマース事業の創造」

楽天はみなさんもご存知、楽天市場を中心にトラベル事業や金融事業を行う日本を代表するEコマース企業です。
楽天市場というインターネット上の空間に多くの店舗に出店してもらい、手数料や広告料で収益を得るようなビジネスです。

創業(1997年)から04年までの同社の事業を分析し、
今後成長するための戦略についてディスカッションしました。

ちなみに03年の同社の経営成績について
売上高:180億(前年比83%増)
営業利益:47
(営業利益率:26.3%
税引前純利益:44
(税引前利益率:24.5%
04年度1Qにおけるセグメント別売上高はEC事業(43.2)ポータル事業(13.6%)旅行・エンターテイメント事業(14.0%)金融事業(31.6%)です)


1.なぜ楽天はEC事業に成功したのか
・競合よりも安い出店加盟料(競合の一般的な加盟料は20-30万円、一方同社は5万円)
・加盟店への教育システム(楽天大学を設置し、加盟店に販売や技術的な教育を行う)
・加盟店の品質と信頼性の管理
・豊富な商品ラインナップ
・営業力の強さ
コスト構造については熊本さんの説明が非常に参考になりました。
楽天の創業期(97年)頃は自前のサーバーを用意する必要があり、今のようにクラウドが普及していなかった為、現在ほどネット上でのビジネスへの参入が容易ではありませんでした。
そのため後発の企業も楽天の事業を模倣しづらかったというのが背景にあるかもしれませんね。

2.事業多角化について
2000年の株式公開以降、同社は積極的なM&Aの活用により事業を多角化します。
2000年のインフォシーク買収、03年のDLJディレクト証券買収など)

事業を多角化する際には
・既存の事業とシナジーがあるか
・経営資源が分散しないか
という点を考える必要があります。

その視点から同社が行ってきた多角化は既存事業とのシナジーを生み出すものが多く
多角化させることにより楽天が提供するインターネット上の空間の価値を高めることに成功したように思います。
一方、ポータル事業(インフォシーク)については買収以降Yahoo!google,MSNと比べて存在感が低下しており、
今後も果たしてポータル事業を継続していく合理性があるのかどうかが話し合われました。
(買収時にはインフォシークユーザーを楽天に取り込む大きな役割を果たしたと思われます)

そして最後に、今後同社に求められる戦略や新しいサービスの立案を行いました。
・     同社の強みであるトラベル事業を中心に、中国をはじめとする途上国への事業展開
・     医療や福祉、教育とインターネットを組み合わせたサービスの構築
・     ぐるなびやホットペッパーのような飲食店の紹介サイト
(下の二つについては楽天市場と組み合わせる戦略で事業シナジーが生まれるのではないかと思います)


現在多くの日本企業では国内のマーケット縮小に伴い、海外への事業展開が急ピッチで行われています。
楽天も英語社内公用語化を進めていることからもわかるよう他社同様に海外展開に力を入れていますが、
一方国内においても多くのビジネスチャンスが転がっており、新たなサービスの考案次第で国内でも成長の機会が豊富に存在しているのではないかと感じました。


 



次回の勉強会は98日(木)17:00-20:00
「サムスン電子:グローバルマーケティング」のケーススタディを行います。
興味のある方は是非ともお気軽にお問い合わせください。

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